映画ファン「映画監督・評論家編」<富野由悠季>
富野 由悠季(とみの よしゆき、1941年11月5日 - )は、日本のアニメーション監督、作詞家、小説家。神奈川県小田原市出身。日本大学藝術学部映画学科卒。日本で最初の連続テレビアニメ番組「鉄腕アトム』の制作に携わるなど、日本のテレビアニメ界をその草創期から知る人物で、日本を代表するアニメーション監督の一人である。代表作は『機動戦士ガンダム』などのガンダムシリーズ、『伝説巨神イデオン』、『聖戦士ダンバイン』他のバイストン・ウェル関連作品など。
人物像
旧名(本名)は富野 喜幸。富野由悠季というペンネームは1982年以降、原作、監督、小説執筆の時に使われるようになった。そのほか作詞家としての井荻 麟(いおぎ りん)、絵コンテ、脚本、演出のために使われる斧谷 稔(よきたに みのる)等複数のペンネームを持つ。なお、井荻麟というペンネームの由来は、日本サンライズの事務所のあった下井草駅|下井草が西武新宿線の井荻駅の隣(となり)であることによる。血液型はAB型。本人執筆の小説の作者紹介欄によると、趣味はスケッチ|素描(ドローイング)とある。自身の小説の挿絵もしばしば描いている。家族構成は、妻の亜々子と2人の娘。次女は、オランダ在住の振付家、ダンサーの富野幸緒で、ヨーロッパを拠点に活躍中。スタッフを殴ったり怒鳴りつけるなど、気性が激しいと言われている。アニメの監督になっていなかったら、自分は禁治産者とみなされるか、犯罪者になっていたかもしれないと語ったこぁ H$,$"$k!#$7$+$7!"$=$N87$7$$;XF3$N@.2L$O3N$+$J$b$N$,$"$j!"$+$D$FIYLn$N2<$G=$9T$7
作風
監督を務めた作品には、ロボットアニメが主なジャンルである。本稿にもあるように、ロボットアニメ以外にも世界名作劇場シリーズを始め、広範に渡るジャンルにおいてコンテや脚本を手がけている。しかし本人曰く「オリジナルのストーリーをギャラをもらって作って練習できるのはロボットアニメしかないと気付いた」とのことである。また「ガンダム」「イデオン」では登場するロボット群の大半のデザイン原案を自ら描いており、ほぼそのまま登場した物も多い。顔見知り同士なのに相手の名前をわざわざフルネームで呼ぶなど、関わった作品は台詞回しが特徴的で、「富野節」と呼ばれる。また、登場メカや人物の名称には特徴があり、恐らくは富野自身が好んで使用する、ある一定のリズムに則った反復感や法則性が指摘されている。テーマ曲を作詞する時(特にテレビ放送作品の前期オープニングテーマ曲)に、かつてのスーパーロボット作品のそれと同じく、たいていタイトルや主役機の名前またはその一部を入れている。これは製作現場および業界にそういった空気が充満していたためで、「主役ロボットの名前には濁点と『ン』が入っていないとダメだった」とも本人が語\xA1 $C$F$$$k!#
[ 作風に基づく異名 ]
かつては物語を盛り上げる必要に応じて重要なキャラクターが死ぬ展開もいとわず、終盤に近づくにつれ、主要登場人物の大半が死に至るような作品(『無敵超人ザンボット3』、『伝説巨神イデオン』、『聖戦士ダンバイン』、TV版『機動戦士Zガンダム』、『機動戦士Vガンダム』など)を作ることが多く、視聴者に強い衝撃を与えたため、「皆殺しの富野」などの異名で呼ばれた事もあった(代表作『機動戦士ガンダム』では大半が生き残ったが、後の小説版では途中で主人公を戦死させるという展開が見られる)。しかし、富野も好き好んでキャラクターを死なせているわけではなく、劇場版『イデオン』製作の際、スポンサーから声優の出演料の関係でキャラクターの殺害要求をされた時は、嫌だったという。一方でライトでコミカルな作品(『無敵鋼人ダイターン3』、『戦闘メカ ザブングル』など)も作っている。近年では、『∀ガンダム』や『OVERMANキングゲイナー』など、昔と比べると人の死や悲惨な描写が少ない王道展開の作品が多い。そのため一部のファンのあいだで、暗く重い悲劇的な作品については「黒富野」、王道の作品\xA1 $d%3%_%+%k$J:nIJ$O!VGrIYLn!W$HB/>N$5$l$F$$$k!#
[ 登場キャラクターの特徴 ]
主人公の大半は「家庭環境が悪いので、理屈っぽい捻くれた性格をしている」場合のパターンが多い。富野自身も両親に対して憎悪のような感情を抱いていたと述懐している。1981年に出版された著書『だから 僕は…』には、当時のヒロインの多くは、若かりし頃につきあいのあった「チョキ」というニックネームの女性をモデルとしていると記されており、ヒロインには芯の強さが目立つ。実年齢とは別に、主人公よりもやや大人びた感じや引っ張っていくような性格の強さが目立つことが多い。富野本人は「目の大きいキャラクターが大嫌い」で、作品を見ても少女漫画や、いわゆる「萌え系」のような大き過ぎる眼(=顔の半分を占める 逆に鼻と口は存在しないに等しい大きさ)のキャラクターは全く登場しない。例外は『ダンバイン』のチャム・ファウぐらいである(彼女の場合は妖精なので意図的にそうしていると見られる)。そのため、『機動戦士クロスボーン・ガンダム』連載当時、作画担当の長谷川裕一に「キャラクターの目をもう少し小さくしてくれ」と注文し、長谷川を仰天させた(クロスボーン・ガンダムは長谷川の作風のため、キャラクターの目は多少大きめ\xA1 $KIA$+$l$F$$$?!K!#!X%V%l%s%Q%o!<%I!Y$K$*$$$FL\$NBg$-$$%-%c%i%/%?!<$rIA$/$$$N$^$?$`$D$_$r%-%c%i%/%?!<%G%6%$%s$K5/MQ$7$?:]$b!"K\?M$rL\$NA0$K$7$F!V9%$-$G$O$J$$!W$HH/8@$7$F$*$j!"%"%K%a!<%7%g%s%G%6%$%s$rC4Ev$7$?=EEDFX;J$K$bL\$r>.$5$/=q$/$h$&$K;X<($r=P$7$F$$$k!#
[ エンディングの法則 ]
「富野総監督作品はハッピー、バッドエンディングを交互に繰り返す」この命題の初出は、1980年代アニメ雑誌の読者投稿欄によるものである。「すでに気づいていた」という編集者のコメントや、作劇の単純な法則から、ある程度の認識を持つ富野作品ファンの間では周知の事実であったと思われる。富野作品全般がエポックとされる所以は「単純な勧善懲悪もの」を否定し、相対的な視点をもつドラマを提示したためである。これは何を基準に「ハッピー・バッド」と線引きするかが明確ではない。さらに先述の「皆殺しの富野」の異名通り、この期間全作品に「バッドエンディング」と結論付けできる「苦み」や「しこり」が必ず含まれる。しかし逆に、『イデオン』『ダンバイン』『ザンボット3』の衝撃的な結末には再生をも予感させるカタルシスが含まれ「痛み = バッド」とすることもためらわれる。ほぼブランクが介在しないこの時期の作品カラーを富野監督本人の言及・製作背景とあわせて俯瞰するうえで、単純ゆえに興味深い履歴といえる。(注:本法則は『ザンボット3』から休養直前の『機動戦士Vガンダム』まで、名古屋テレビ放繊 w|名古屋テレビ系リアルロボット作品群に適用。『ブレンパワード』以降は前述の経緯から適用されない)。下記に富野監督作品の結末の詳細を記述する。*【○=ハッピーエンディング、×=バッドエンディング】
経歴
: 本来実写作品の監督志望であったが、富野の大学卒業前、すでに大手映画会社は大学新卒者の採用をやめており、学部の関係上、就職口が虫プロダクションしかなかったとコメントしている。当時アニメは子供の漫画映画という認識しかなかったため、大の大人がおもちゃ屋の宣伝番組であるアニメの仕事をやるのは非常に恥ずかしかったと述べている。* 1967年 虫プロダクションを退社。東京デザイナー学院で講師として講義を持つかたわら、オオタキ・プロダクション(※)でCM制作に関わる。
:※この表記は著作『だから僕は…』に準拠。エッセイ『∀の癒し』には同一CM制作会社と思われる会社がシノ・プロの名で登場している。
参加作品一覧
[ 鉄腕アトム ]
* 制作進行・演出助手・脚本・演出
手塚治虫が自身の同名人気漫画を原作に、自ら社長を勤める虫プロで制作した日本初のTVアニメーション(モノクロ)。富野は64年に虫プロに入社し、制作進行及び演出助手を担当。同年11月放送の第96話「ロボット・ヒューチャー」で、新田修介の名で演出家としてデビューした(同話では脚本と絵コンテも担当)。以後合計25本の演出と絵コンテを担当。自ら脚本を書いたエピソードも多い。この演出本数はアトム全体で最も多く、二話連続コンテなども何度かある。ある意味後半のアトムは富野が乗っ取った形になっているために、元々メインだったりんたろうとは後年まで軋轢があったそうである(現在では和解している)。
[ 過去に関わった作品(1968年 - ) ]
虫プロを退社し、「さすらいのコンテ・マン」だった時代に関わりを持ったアニメには次のようなものがある。
[ 海のトリトン ]
* 実質的に初のチーフ・ディレクター(1968年の『夕やけ番長』が初チーフディレクター作品だが、実際には初期数話に関わった程度)。
手塚治虫の漫画『青いトリトン』(後にアニメに合わせて『海のトリトン』に改題)を原作としているが、「トリトンやピピはトリトン族である」といったキャラクター設定以外に共通点を見出すことは難しい。実質的にオリジナル・ストーリーで、ハードなストーリー展開と理屈っぽい主人公という富野色はこの頃からすでに十分表れている。放送当時は視聴率が伸びず、わずか2クールで終了したが、原作ファンも合わせて富野版トリトンの設定は評価が高く、今日なお熱烈なファンを持つ作品となった。
[ 勇者ライディーン ]
* 監督・絵コンテ(前半)
オリジナル・ストーリーをやれると思って引き受けた仕事だったが、原作(鈴木良武)が持っていたオカルト的要素が、諸事情により第1話の作画に入ってから決まった放送局の方針と合わず、急な方向転換を余儀無くされるという不運の中、前半2クールで降板することとなった。後任の監督となった長浜忠夫は、この富野に対するあまりにも横暴な人事に激怒しながらも引き受け、富野も鬱憤を感じながらも、後半でも長浜の下で何本か絵コンテを切るなどの形で番組自体には関わり続けた。そしてこの機会に長浜忠夫の下で技法を吸収する事に努め、監督の立場から作品全体をコントロールする術を学んだと自身で回想している。後に長浜ロマンロボシリーズにも演出、絵コンテとして参加している。
[ 宇宙戦艦ヤマト ]
* 絵コンテ
著作『だから 僕は…』によれば、第3話の絵コンテを西崎義展プロデューサーに強引に引き受けさせられたものである。そのストーリーが気に入らなかった富野は、ストーリーを改ざんして西崎に渡し、西崎を激怒させた。翌日か翌々日には本来のストーリーでの絵コンテを再納品したが、それきり二度と西崎からの依頼は来なかったと言う。
[ しあわせの王子 ]
オスカー・ワイルド原作。全国の幼稚園や小学校で情操教育などを目的に上映された教育映画。一般公開はされていない。
[ ラ・セーヌの星 ]
途中降板した出崎哲の後を受け、最終話までの1クールのみ監督。
[ 無敵超人ザンボット3 ]
* 原作(共同原作/鈴木良武)・総監督・演出・絵コンテ・原画(ノンクレジットだが、富野本人が証言している)
日本サンライズの第一回制作作品。先の「ライディーン」途中降板の経験を受け、企画段階からスポンサー・放送局に「まず要求を全部言って下さい」と談判し「戦闘シーンは何分要るのか」「武器は何種類出せばいいのか」等、全ての条件を受容れた上で「その中でどこまで劇を入れられるか実験を試みた」という。
当作品は、本来ヒーローであるはずの主人公たちが周辺住民から嫌われ追われる、登場人物が次々と非業の最期を迎えるなど、「アニメは子どもが見るもの、子どもに夢を与えるもの」という考え方が一般的であった当時の業界や視聴者に強い衝撃を与えた。大人の間では「子どもに見せるものとしては不適格」とする声もあった。しかし、ガンダムの前作品として再評価する意見も出ている。
[ 無敵鋼人ダイターン3 ]
* 原作・総監督・脚本・絵コンテ
前作『無敵超人ザンボット3』の暗さを吹き飛ばすかのように全体的にコミカルな作品となった。主人公破嵐万丈は今日でも多くのファンを持つ。衝撃的な『ザンボット3』の後番組だったため、初期の視聴率は伸び悩んだが、最終話は、高いレベルの作画でどこか哀しみを漂わせ、『ザンボット3』や『ガンダム』に引けを取らないシリアスなストーリーで締めくくった。破嵐万丈の人気は根強く、その後もノベライズやオーディオドラマによる後日談など関連作品が生み出されていった。
[ 機動戦士ガンダム ]
* 原作・総監督・脚本・演出・絵コンテ
富野の代表作として真っ先に挙げられるタイトル。それまでの巨大ロボットものとは一線を画し、「リアルロボットもの」と呼ばれるジャンルを確立したエポックメイキングな作品。ロボットものでありながら、人間ドラマを主軸とした物語は初回放送時に一部に熱狂的な支持者を獲得した(富野は、最初に支持してくれたのは、主に十代の若い女性であったと回想している)。続編が次々作られるようになったことで、便宜上「ファースト・ガンダム」と呼ばれることもある。今でこそ名作とされる場合が多いが、初回放送時は視聴率で苦戦し、スポンサーの意向によりテコ入れの路線変更と52話から39話への放送期間短縮が決定される(2クール目より冒頭にガンダム換装シーン、新商品Gメカと毎回敵メカが出てくるスーパーロボット路線への変更)。講談社刊、ガンプラジェネレーションでの当時の関係者に証言によると、この効果により新商品のDX合体セット(Gファイターとガンダムの合体セットだが、当時の定番としてGファイター、ガンダム共に数々の玩具的ギミック、デフォルメが施されている)がヒットし、スポンサーの要請により\xA1 Ev=i$N52話完結へと話が戻された。スタッフ等の諸事情により1ヶ月分の4話を延長した全43話で折り合いが尽き完結するものの、熱心なファンの再放送嘆願により人気が本格的に過熱する。放送終了後にバンダイから300円のキャラクタープラモデル(いわゆるガンプラ)が発売され、企画時はただの単独ラインナップからシリーズ化、さらには劇中に登場しなかったオリジナルモビルスーツ(モビルスーツバリエーション|MSV)の機体も多数発売されることにより、独自の世界観を切り開いていった。これが契機となりガンダム人気はマーケットを主体とした、初回放送時とは比較にならない一大ブームを起こし、再放送、やがて映画化へと繋がる社会現象を引き起こしてゆく。本作の企画案は当時金欠だった富野がサンライズへ30万円で売り渡したため、いくらガンダム関連商品が売れようとも富野自身に還元されることは無い。(出典:山田玲司『絶望に効くクスリ ONE ON ONE』、『週刊ヤングサンデー』2005年11号でのインタビューにて)
[ ザ☆ウルトラマン ! ]
* 絵コンテ・演出
[ 伝説巨神イデオン ]
* 原作・総監督・脚本・演出・絵コンテ
『機動戦士ガンダム』終了のわずか数ヵ月後に放送開始されたロボットアニメ。前作である『機動戦士ガンダム』同様に途中打ち切りとなるが、折からのアニメブームの中、「本当の結末が見たい」というファンの声援に後押しされて、後にテレビ版総集編と完結編が二本同時に劇場公開された。
[ 機動戦士ガンダム(劇場版) ]
劇場版三部作の第1作。TVシリーズでホワイトベースがサイド7から地球に辿り着き、敵・ジオン公国の脅威を認識する場面(ランバ・ラルとの遭遇と、その後のギレン・ザビの演説)までのエピソード。それまでもテレビアニメで評判の高かったものが再編集されて劇場公開されるケースはあったが、それらの多くは劇場版となった途端に実写畑の監督や監修者を立てていた。そのことに違和感を持っていた富野は、本作で「他人を監督に立てるのであれば上映権は認めません」と会社側と談判して監督権を勝ち取った。本作が不入りであれば以降は作られなかった可能性も高かったため。タイトルにローマ数字の「I」とサブタイトルがついていない。
[ 機動戦士ガンダムII 哀・戦士編 ]
劇場版三部作の第2作。TVシリーズで地球に降下してから連邦軍の本拠であるジャブローに辿り着き、ジオン軍との決戦の為に再び宇宙へ旅立とうとするところまでのエピソード。
[ 機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編 ]
劇場版三部作の第3作。再び宇宙に舞台を移してから最終決戦を経て終戦に至る最終話までのエピソード。宇宙と書いて「そら」と読ませる。TVシリーズ制作時に病気で現場を離れていた作画監督の安彦良和によるリターンマッチという事もあり、ほとんど新作に近い量の新規作画が起こされている。
[ 戦闘メカ ザブングル ]
* 原作・総監督・ストーリーボード
[ The IDEON (伝説巨神イデオン)接触篇/発動篇 ]
『接触篇』がテレビ版の総集編(といっても物語の中盤程度まで。ここで描かれなかった総集編部は次の『発動篇』冒頭にかかっている)、『発動篇』が打ち切りにならなければ描かれたはずの完結部分となっている(但し、最終決戦のきっかけとなる39話は『発動篇』に含まれる)。2本同時公開。
[ 聖戦士ダンバイン ]
* 原作・総監督・脚本・ストーリーボード
ファミリーコンピューターが発売したばかりの年でもある当時の日本では、王侯・騎士と神話・妖精が織りなす中世ヨーロッパ的ファンタジー作品があまり認知されていなかった。したがって、リアルロボットものが隆盛をきわめつつあった時代に、実在するテクノロジーと異なったメカニズムを取り入れ、ファンタジー的異世界を舞台とした同作は異色だったといえる。しかし、後半で現代の地球に舞台を移したことには賛否がある。富野自身が放送終了前に失敗作宣言をしたり、放映中にスポンサー企業が倒産するなどのトラブルが発生したことでも知られる。舞台となる異世界「バイストン・ウェル」は、富野がしばしば同じ世界観で小説を書くライフワークとして続くこととなった。
[ ザブングル グラフィティ ]
テレビ版『ザブングル』の再編集版。『太陽の牙ダグラム』の総集編である『ドキュメント 太陽の牙ダグラム』と併映。当初から、2本立ての企画物として制作され(実際は、さらに短編『チョロQダグラム』が加えられ3本立て)、上映時間が90分以内という制約があったため、まともな総集編を作るのは無理と判断、割り切って楽屋落ちにして、本編の勢いを悪乗りさせた作品となった。だが、その割には新しく書き下ろされたカットも多く、実は結構力が入っている。
[ 銀河漂流バイファム ]
* 原案
『十五少年漂流記』のように子供達だけで宇宙をサバイバルする物語を、と企画された時に出された企画原案の一つ。その際採用された企画原案が『機動戦士ガンダム』になった。
[ 重戦機エルガイム ]
* 原作・総監督・ストーリーボード
キャラクターデザインとメカニックデザインに永野護を起用。そのビジュアル的な斬新さには多くのファンがついた。物語としては、前半は自分で自作のパロディをやるのかと言われるほど明るい色調でファンの受けも良かったが、後半、物語がシリアスな展開を見せるにつれ話について行けなくなり、離れて行ったファンも少なくない。
富野監督作品内で唯一、「ン」が付かない作品である(理由はスポンサーであったバンダイが「この題名でやれ」と言ったため)。ちなみにTVアニメでの富野監督の単一の作品としては総話数が全54話と最も多い。
[ 機動戦士Ζガンダム ]
* 原作・総監督・脚本・ストーリーボード・OP、EDの絵コンテ・挿入歌の作詞
それまでの続き物にありがちだった続編(判りやすい例えとしては『宇宙戦艦ヤマト』)とは違う続編の作り方を意図的に試みた作品。前作の登場人物が年齢を重ねて再登場したり、時代の変化によってかれらの立場や考え方が変わっているなど当時としては斬新な作品となった。初放送時は批判的な意見が多く見られたが、今日では『ガンダム』シリーズ中、最も好きな作品に挙げるファンも少なくない。ともあれガンダムシリーズが四半世紀を越えた現在、なお新作を求められたり実際に作り続けられている理由の一つは、本作によって確立された年代史的な続編の作り方にあると言っても過言ではないだろう。2005年に20年の歳月を経て富野自身の手により劇場版3部作に「新訳」されて公開された。
[ 機動戦士ガンダムΖΖ ]
* 原作・総監督・脚本・ストーリーボード・OP、EDの絵コンテ
スポンサー側からの提案で前作『機動戦士Ζガンダム』放送中に急遽製作が決まった続編(ただし、本人は予測の内であったと語っている)。時代的には前作から連続し、前作の主要キャラクターは脇に退き、ミドルティーンの少年少女を主役グループに置いて「暗い」「カタルシスがない」と評された前作とは正反対に「明るいガンダム」を目指した。しかし、この前作の事実上の続編でありながらも全く方向性が異なる路線が災いしてファンからは苦情が寄せられ、シリーズ半ばからやや方向転換している。なお、この作品の「新訳」はやらないと語っている。自身のコメントの中でも特にけなす作品のひとつであり、「あれは論外」「なかったことにして欲しい」「あの時の自分が一番ダメ」等、ファンの心象等お構いなしの暴言が飛び出す。ガンダムシリーズで唯一、ノベライズも書いていない。
[ 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ]
* 原作・監督・脚本・絵コンテ
初の劇場版オリジナル作品。「シャア・アズナブル|シャアとアムロ・レイ|アムロの物語に決着をつける」ために作った作品と本人は述べている。小説版も富野自身が手がけているが、徳間書店版(『ハイストリーマー』(前・中・後))と角川書店版(『ベルトーチカ・チルドレン』)の二種類がある。角川書店版は同作の初期案をベースとしている。大筋のストーリーは共通しているが、アムロとベルトーチカの関係が続いており、ベルトーチカがアムロの子供を身篭っているという設定がある。この設定は上層部から「ヒーローに子供ができるのはどうか」と指摘を受け、映画版では取り下げた。徳間書店版のほうは、前半にかなりの物語が追加されている。
[ 機動戦士ガンダムF91 ]
* 原作・監督・脚本(伊東恒久と協同)・絵コンテ・挿入歌の作詞
背景となる時代は一気に下り、『逆襲のシャア』までのキャラクターが引き継がれることはなかった。キャラクターやメカニカルデザインに『機動戦士ガンダム』当時のスタッフを起用しており、懐かしい気分に浸ったファンも少なくない。本来はTVシリーズの予定で企画されたが、劇場公開用として再編集されたと言われている。本作公開時にスタッフは、テレビシリーズかビデオシリーズかで本作の続編を作るつもりでいたが、興行的に今ひとつ振るわなかったためか、立ち消えとなった。後に直接的な続編である漫画『機動戦士クロスボーン・ガンダム』の原作を担当している。
[ ママは小学4年生]
* オープニングストーリーボード
監督作品以外では唯一のオープニング担当になる。赤ん坊の全裸など後の作品に活かされる描写も多い。
[ 機動戦士Vガンダム ]
* 原作・総監督・絵コンテ・構成
[ 機動武闘伝Gガンダム ]
* 絵コンテ・脚本「機動戦士Vガンダム」の放送終了後、富野は次回作ガンダムの監督を拒否。監督に今川泰宏を指名し、彼に絶対にプロレスをやるようにと指示した。クレジットに名前はないが、実はこっそり作品作りに協力していた。
[ バイストン・ウェル物語 ガーゼィの翼 ]
初のOVA作品。『ダンバイン』と同じくバイストン・ウェルの世界を舞台にしているが、ロボット(オーラバトラー)の出てこない、純粋なファンタジー作品となっている。富野が鬱病の状態で製作した事もあり、全体的に精彩を欠く。後年作品を見直した富野は「糸が伸び切っているという印象」との感想を残している。
[ ブレンパワード ]
* 原作・総監督・脚本・演出・絵コンテ
WOWOW初のオリジナルアニメ。スクランブル放送だったため、視聴者数はある程度限られた。富野は「自分たちは子供たちを"親なし子"にしてしまったのではないか?」という危機感から「人と人とが絆を結ぶとはどういうことか」を示そうとした、とDVDの説明書きで語っている。また、当時企画が進行中であったガンダム作品(『∀ガンダム』)の制作に向けた、鬱症状からアニメ制作現場へ戻るためのリハビリと位置づけている。作品としては『エルガイム』以来14年ぶりのオリジナル・ロボットアニメ。初期の数話でスタッフからガンダム作品と同じ演出になっているとたしなめられるエピソードや、ロボットデザインに旧知の永野護を起用する一方、キャラクターデザインにいのまたむつみを起用した。
[ ∀ガンダム ]
* 原作・総監督・絵コンテ
『機動戦士ガンダム』誕生20周年記念作品として作られた。「∀」は、数学や論理学などで「すべての〜」という意味で用いられる全称記号である。これを解釈し、全てを包括して原点に返るという意味を込めて、本作品のタイトルである「ターンエー」として用いられた。過去に作られた「ガンダム」と名の付くすべての作品を、全否定かつ全肯定する作品を目指したものである。キャラクターデザインには『ストリートファイターII』シリーズで知られるカプコンの安田朗を、メカニックデザインはアメリカの工業デザイナー・シド・ミードを起用した。シドがデザインした革新的なガンダムのデザイン(見た目と劇中の俗称から「ヒゲ」と呼称されることが多い)は放送前から意見が分かれた。もっとも、放送が始まると徐々に評価が高まり、2002年には劇場版2部作として公開された。(富野道(劇場公開時のコラム))なお、この作品のノベライズを福井晴敏と佐藤茂が個別に引き受けており、福井版では富野監督による初期構想のシナリオに沿っている。!
[ OVERMANキングゲイナー ]
* 原作・総監督・脚本・演出・絵コンテ
[ 劇場版 ∀ガンダム I 地球光/II 月光蝶 ]
『∀ガンダム』を再編集したもの。声は新録で、新カットも多少追加されている。BGMもオリジナルのものが少々ある。サイマル・ロードショー方式という日替わりで1部・2部を上映する公開方法がとられた。43話の初代ガンダムでさえ映画は3本だったのに、50話の『∀ガンダム』を2本にまとめている上、∀には編集する上で省略しやすい戦闘シーンが少なく、ストーリーも複雑なので、非常に展開が速い。それでも何とかまとめた監督の手腕は大したものだが、残念ながら本作の評価はTV版に比べて低めである。
[ リーンの翼 ]
* 原作・脚本・絵コンテ・総監督
富野由悠季が初めてネット配信という形式で作ったアニメ。1話25分前後で全6話。自身の小説『リーンの翼』を多少アレンジし、その数十年後の物語である。ダンバインで出てきた「オーラバトラー」が登場する。オーラバトラーなどにCGが使用されている。独特のセリフ回しと非常に速い展開が特徴。ガンダムエース誌上で大森倖三によって漫画版が連載され、コミック全3巻が発売されている。
[ 機動戦士Ζガンダム 星を継ぐ者 ]
[ 機動戦士ΖガンダムII 恋人たち ]
[ 機動戦士ΖガンダムIII 星の鼓動は愛 ]
小説他著作一覧
[ 機動戦士ガンダムシリーズ ]
・機動戦士ガンダム
:1979年から1981年に朝日ソノラマ(ソノラマ文庫)から刊行。1987年に角川書店(角川スニーカー文庫)に収録。全3巻。
・機動戦士Ζガンダム
:単行本は1985年から1986年に講談社から刊行。文庫版は1987年に角川書店から角川スニーカー文庫に収録。
・機動戦士ガンダム 逆襲のシャア(前・中・後)
:1987年から1991年に徳間書店(アニメージュ文庫)から刊行。2002年に徳間デュアル文庫から『機動戦士ガンダム ハイ・ストリーマー』(雑誌『アニメージュ』連載時のタイトル)に改題して収録。
・機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン
:1988年に角川書店(角川スニーカー文庫)から刊行。;機動戦士ガンダムF91 クロスボーン・バンガード(上・下)
:1991年に角川書店(角川スニーカー文庫)から刊行。
・機動戦士Vガンダム
:1993年から1994に角川書店(角川スニーカー文庫)から刊行。
:1997年に角川書店(角川mini文庫)から刊行。2000年に上下巻を全1巻にまとめて角川スニーカー文庫に収録。
[ ガイア・ギア ]
ガンダムシリーズ中での紀年法、宇宙世紀において、現在のところ原作者である富野によって描かれている作品では最も遠い未来が舞台。著作権等の問題から「正史」とは認められていないため、シリーズのパラレルワールドとして扱われる外伝的作品。
[ 機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ ]
角川書店版の小説『ベルトーチカ・チルドレン』の続編に当たるため一部の設定が宇宙世紀の正史とは異なっているが現在では本作もほぼ「正史」として見られているようである。
[ 機動戦士クロスボーン・ガンダム ]
『機動戦士ガンダムF91』の続編に当たり、初めてガンダムシリーズの漫画原作者として、原作及び企画に関わった作品(作画は長谷川裕一が担当)。サンライズの年表では「正史」と\xA1 $OG'$a$i$l$F$$$J$$$,!"IYLn$,L!2h86:n
[ 伝説巨神イデオン ]
1981年から1982年に朝日ソノラマ(ソノラマ文庫)から刊行。1981年から1982年に角川書店(角川スニーカー文庫)に収録。
[ バイストン・ウェル物語シリーズ ]
・リーンの翼 − バイストン・ウェル物語より
:1984年から1986年に角川書店(カドカワノベルス)から刊行。1986年に角川文庫に収録。全6巻。
・ファウ・ファウ物語(上・下)
:1986年から1987年に角川書店(角川文庫)から刊行。
・オーラバトラー戦記
:1986年から1992年に角川書店(カドカワノベルス)から刊行。2000年から2001年に角川スニーカー文庫に収録。
・ガーゼィの翼
:1995年から1997年にアスペクト (企業)|アスペクト(ログアウト冒険文庫)から刊行。全5巻。
[ 破嵐万丈シリーズ ]
1987年から1992年に朝日ソノラマ(ソノラマ文庫)から刊行。
・薔薇戦争
・憂鬱ミュージアム
・ヒット・カップル
・愛はシベリアから
[ シーマ・シーマ ]
1988年から1989年に徳間書店(アニメージュ文庫)から刊行。
[ アベニールをさがして ]
1995年から1996年に朝日ソノラマ(ソノラマ文庫)から刊行。全3巻。
[ 王の心 ]
1995年から1996年に角川書店(カドカワノベルス)から刊行。全3巻。
・死者の書
・天女生誕の書
・再臨飛翔の書
その他の著作一覧
: 自伝。『機動戦士ガンダム』までを自ら振返った内容。文庫版は増補が加えられている。
:(1980年、声優:鈴置洋孝のレコードのプロデュース、ドラマ、作詞。A面がドラマレコード。井荻麟名義で『ハッシャ バイ』作詞(『劇場版 Ζガンダム』で挿入歌として使用される))
: 虚実入り混じる、TV版から番組打ち切りを経て映画版公開へといたる『イデオン』製作手記風創作。TV放映時に同時進行で『アニメージュ』誌に連載していたものを纏めたもの。
:エッセイ。主に『Vガンダム』監督前から『∀ガンダム』放映終了までのもの。
: 映像の特徴から編集・作画・演技・音響など、映像作りに必要なほとんどの作業についてを記した実務書。
: 富野がホスト役を務める『ガンダムエース』誌連載の対談企画をまとめたもの。対談相手として、坂村健、上妻宏光、斎藤孝、水谷修、野口聡一らさまざまな分野の専門家を招いている。装丁は樋口真嗣によるもので、両手を掲げて咆哮する全裸の富野というビジュアルが見る者に強烈な印象を与える。また、巻末の解説は福井晴敏が執筆している。
: 『アニメージュ』誌上連載をまとめたもの。読者からの相談に富野が答える人生相談である。『劇場版 Ζガンダム』の主題歌を歌うGacktとの対談が収録されているほか、相談の中には声優・歌手の桃井はるこからの相談もあった。
: 彫刻。2005年に開催された美術展『GUNDAM―来たるべき未来のために―』での展示。上野の森美術館での開催時に、新しく展示物に加わった作品で、大阪サントリーミュージアムでの開催時は展示されていない。
原作名義作品
富野由悠季以外のスタッフの手によって製作されたアナザーガンダムにもテロップでは「原作者」とされている。
関連項目
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